【2026年改正】事業展開等リスキリング支援コースの変更点——期限は2027年3月末

「使えるのは今年度が最後」になる可能性が高い
AI・DX研修に最も使いやすい助成金である「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」は、令和8年度末——つまり2027年3月31日で終了予定だ。訓練開始の1ヶ月前までに計画届を提出する必要があることを考えると、実際に動ける期間はさらに短い。研修への助成金活用を検討している企業にとって、2026年度は事実上のラストチャンスとなる。
2026年改正の主な変更点
1. 新しい訓練類型の追加
従来の「事業展開に伴う訓練」「DX化・GX化に伴う訓練」に加え、「企業内の人事・人材育成に関する計画に基づく訓練」が新たに対象となった。おおむね3年以内の人事配置・育成計画を作成したうえで、従業員が「これから従事する予定の職務」に必要な知識・技能を習得する訓練も助成対象になる。
ただしこの新類型を使う場合は、訓練開始1ヶ月前までに「認定経営革新等支援機関」による計画内容の確認を受けることが要件となっている点に注意が必要だ。
2. eラーニングの取り扱い変更
eラーニング・通信制の訓練は「経費助成のみ」となり、賃金助成の対象外となった。また、1人1訓練あたりの経費助成上限額も見直されている。eラーニングで申請する場合は、受講管理システム(LMS)による受講ログの提出が必要だ。
3. 賃金助成の増額(2025年4月〜)
対面型訓練の賃金助成は、中小企業で1人1時間あたり1,000円(従来960円)、大企業で500円に増額されている。12時間の研修なら、受講者1人あたり1.2万円の賃金助成が経費助成とは別に受けられる計算だ。
4. 【2026年8月3日施行】汎用的なDX研修の対象外化とeラーニング回数制限
2026年8月3日、本コースにさらに大きな改正が施行された(厚生労働省リーフレット LL080803開企01)。8月3日以降に提出された計画届から適用されるため、これから申請する企業はすべて対象となる。変更点は次の2つだ。
① 汎用的な内容のDX化・GX化訓練が助成対象外に。職務に間接的に必要となる知識・技能の習得にとどまるものや、職業人として共通して必要な汎用的内容の訓練は対象外となった。厚労省が示す具体例では、「汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練」「DXの概念やデータ活用の考え方を学ぶ訓練」は対象外、一方で「生成AIを活用して商品提案書の構成案作成・文章生成を学ぶ営業担当者向けの訓練」のように受講者の具体的な業務に直結する訓練は引き続き対象とされている。あわせて、訓練内容に沿った受講者選定も求められる(例:CO₂排出量算定の研修を、算定業務を担当しない人事・営業の従業員が受講すると対象外)。
② eラーニングは同一労働者につき年度1回まで。本コースの受講回数上限は年度3回だが、このうちeラーニングによる訓練(他の実施方法との組合せを含む)は年度1回までに制限された。
つまり「とりあえず全社員にAIリテラシー研修を」という汎用型の使い方はできなくなり、職種・職務に合わせたカリキュラム設計が助成の前提になった。なお、8月2日以前の契約・申込分には経過措置がある。
改正後の助成内容まとめ(中小企業の場合)
- 経費助成率:75%(大企業は60%)
- 経費助成上限:訓練時間10〜100時間未満で30万円/人(100〜200時間未満40万円、200時間以上50万円)
- 賃金助成:1,000円/人時(eラーニングは対象外)
- 要件:OFF-JT・実訓練10時間以上、訓練開始1ヶ月前までの計画届
- 訓練内容:受講者の職務に直結する内容であること(汎用的なリテラシー研修は対象外・2026年8月3日〜)
- eラーニング:同一労働者につき年度1回まで(2026年8月3日〜)
いま何をすべきか
制度終了までのスケジュールから逆算すると、動き出しは早いほどよい。「どの研修が対象になるのか」「自社は条件を満たすのか」の診断は無料相談で対応しているので、まずは対象可否の確認から始めてほしい。当社のAI研修(生成AI活用・AI駆動開発・JAMStack・eラーニング)はいずれも助成金活用を前提とした設計で、訓練計画書の作成からLMSログの発行までサポートしている。
※本記事の数値は2026年度時点の情報です。最新の支給要領は厚生労働省の公式情報をご確認ください。受給を保証するものではありません。